削るのは単価
減らすのは工程
法人の移動コストは、単価より「誰が立て替え、誰が集計するか」で総コストが決まります。
「クレジットカードの審査が通らないから、社員の立て替えのまま」。設立直後の会社で最も多い状態です。ここには別の選択肢があります。
コストの構造
見えている費用と、見えていない費用
見えている:高速代、燃料代、携帯料金。請求書に載る金額。
見えていない:立替と精算にかかる時間。領収書の回収、突合、振込、経理の確認。
社員10人が月に1時間ずつ使えば、それだけで年間120時間です。
だから改善の順序は、①立替をなくす → ②明細を自動で集める → ③単価を見直すになります。多くの会社が③から入って、効果が出ないまま終わります。
高速代(ETC)
法人でETCを使う方法は、大きく2つあります。
①クレジットカード会社のETCカード。法人クレジットカードに付帯。与信審査があり、設立直後は通りにくいことがあります。
②協同組合が発行するETCカード。組合に加入して発行を受ける形式。クレジットカードの審査とは別の基準で、設立直後や決算実績が浅い法人でも発行されることがあります。出資金や手数料が必要な点は事前に確認してください。
どちらも車両ごと・利用者ごとに明細が出るため、立替精算がなくなります。ここが最大の効果です。
・発行枚数(車両分作れるか)
・年会費・手数料・出資金
・請求のタイミング(資金繰りに影響します)
・割引の適用(大口・多頻度割引の条件)
設立直後でも作れるETCカードの条件を見る
クレジットカードの審査とは別の基準で発行される形式があります。条件は公式サイトでご確認ください。
- 審査・必要書類は事業者ごとに異なります
- 掲載する料金は各社公式サイトの公表値です
- 詳細は必ず公式サイトでご確認ください
燃料費
燃料は金額が大きく、変動が読めない費目です。管理の要点は3つ。
・給油を法人カードに寄せる。立替と現金精算をなくす
・車両ごとの燃費を把握する。異常値が出れば整備か運転の問題が分かります
・給油できるスタンドの範囲を確認する。使えない場所が多いと結局立替に戻ります
ETCと同様、協同組合が発行する法人向けの燃料カードがあります。こちらもクレジットカードとは審査の枠組みが異なります。
→ 運送業の資金繰り
法人ガソリンカードの発行条件を見る
利用できるスタンドの範囲や手数料は事業者により異なります。公式サイトでご確認ください。
- 審査・必要書類は事業者ごとに異なります
- 掲載する料金は各社公式サイトの公表値です
- 詳細は必ず公式サイトでご確認ください
通信費
営業車・現場を持つ会社では、携帯が人数分必要になります。個人名義の携帯を業務に使い、手当で補填している状態は、費用が見えなくなる典型です。
・法人名義にまとめる。請求が1本になり、経費処理が単純になります
・台数割引・法人向けプランの有無を確認する
・端末の調達方法(購入・分割・レンタル)で初期費用が変わります
・解約金と契約期間を必ず確認する
→ 固定回線の選び方
法人携帯のプランと初期費用を確認する
台数や契約期間により条件が変わります。見積もりは公式サイトから確認できます。
- 審査・必要書類は事業者ごとに異なります
- 掲載する料金は各社公式サイトの公表値です
- 詳細は必ず公式サイトでご確認ください
導入の順序
①いま誰が何を立て替えているかを書き出す。ここが出発点です
②金額の大きい費目から法人カードに寄せる。通常は燃料か高速代
③明細の出方を確認する。車両別・利用者別に出るか。出ないと集計の手間が残ります
④残った立替を潰す。駐車場、洗車、消耗品
⑤単価の見直しは最後。工程が整ってから比較する